夕 涼
解説
夏の終わり、宵闇に沈んでいく風景を描いたものです。既に避暑客がいなくなった晩夏の高原を頭に思い浮かべながら描いたのですが、如何でしょうか。
絵の中の建物は、どこかの別荘のように見えるかもしれません。現にそういうイメージでモデルを選んだのですが、実はこの建物は東京都内にあります。「岩崎邸庭園」の中にある「撞球室」がそれで、元々スイスの山小屋をまねて造られた建物です。ビリヤード場をスイスの山小屋風に建てるという発想が、私にはよく理解出来なかったのですが、これが建てられた明治時代の流行だったのでしょうか。
実は、この絵の制作には、おそろしいほどの時間がかかっています。正直言って、制作過程で迷路にはまり込んだようになってしまい、途中で描くのをやめようかと思ったほどでした。中でも相当のエネルギーを注いだのが、ドアの窓ガラスの表現です。実際、この部分がこの作品の命であり、これがあるがゆえに絵にリアル感が出ています。何気なく描かれていますが、満足するような表現に中々ならず、途中で挫折しかけました。以前描いた「窓の中の夕暮れ」(風景画第6室)で、コツをつかんだような気になっていたのですが、いざやってみると窓ガラスの描き方というのは、描画ソフトの様々な機能を駆使しても難しいものです。未だ々々技量が足りないことを痛感しました。
参考データ
ホームページ掲載:2003.9 使用ソフト:Paint Shop Pro 7J & 8J タブレット:Wacom Intuos 原画サイズ:1035×795ピクセル
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