夕 立
解説
夏というと、子供の頃の記憶が色々よみがえって来るのですが、ふっと浮かんで来る幾つかの言葉があります。海水浴、カキ氷、スイカ、入道雲、虫取りなどなど。夕立ちというのも、その中の一つです。
戸外で遊んでいると、遠くで雷が鳴り出して、そのうち空が暗くなってザーと降り出します。ひととき激しく降った後、空がまた明るさを取り戻し、少し気温が低くなって涼しさを感じたりします。私は、夕立が終わった後、一斉にセミが鳴き出すのを、妙によく覚えています。子供というのは、変なことばかり覚えているものです。
この絵は、東京の新木場にある「夢の島」の一角をモデルにしています。私がここを訪れたときも、空模様は怪しかったのですが、幸い雨にはなりませんでした。雲に覆われた空を見上げながら、子供の頃の夕立を思い出して描いたものです。
ところで、私の記憶にある「夢の島」は、ゴミ問題が深刻になった東京都で、巨大なゴミの埋立地を作って「夢の島」と名付けたというものですが、今や立派な埋立地になって植物園まであります。それだけ大量のゴミが出続けたということでしょうか。喜んでいいのやら、思いは複雑です。
参考データ
ホームページ掲載:2003.8 使用ソフト:Paint Shop Pro 7J & 8J タブレット:Wacom Intuos 原画サイズ:1035×795ピクセル
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