雪中花
解説
東京は味気ないコンクリート・ジャングルですが、そんな街にもそこここに目を楽しませてくれる小さな風景があります。この水仙は通勤途上の歩道脇に咲いているもので、毎年冬になると、陽だまりの中でふるふると風に揺れながら、道行く人の目をなごませてくれます。
「水仙」という名は、水の仙人という意味なのでしょうか。思えば、不思議な名前ですが、中国から伝わった名前とも言われています。日本名は、「雪中花」というようで、今回はこちらを題名に使いました。ちなみに英語名は「ナルシソス(narcissus)」で、これはギリシア神話に出て来るナルシスの話に由来しています。美少年だったナルシスは、水面に映る自分の姿に恋焦がれ、誤って泉に落ちて死んでしまうのですが、その後泉のそばに咲いた花が、この水仙だったと言われています。「ナルシシズム(自己愛)」の語源になっている有名な話ですね。
水仙は、縦にすっと伸びているため、縦長の画面に描かれることが多いのですが、今回は横長の画面で描いてみました。そして、冷たい北風に揺れている水仙を見ているうちに、ふと思い立って、残像のような効果を入れてみました。こういうのは、パソコンならではの処理で、肉筆画ではちょっと出来ません。
参考データ
ホームページ掲載:2003.2 使用ソフト:Paint Shop Pro 7J タブレット:Wacom Intuos 原画サイズ:1035×795ピクセル
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