静かな夕べ
解説
山の中腹にある鄙びた庵から、暮れゆく空を眺める、という設定で描いたものです。忙しく働く都会の人々は、日常から切り離された山の中での静かな一日を夢見るものです。この絵は、そういう1つの理想を絵にしたもので、情景設定は全て私の想像です。
遠景に見えるものが山なのか雲なのか、はっきりしないような形で描いていますが、これは見る人の想像に任せられるよう、敢えてどちらとも受け取れるような曖昧な描写にしてあります。いわば、絵の「遊び」ですね。
この鄙びた庵は、「椿山荘」にある「長松亭」という茶室をモデルに描いています。「長松亭」は、「電力の鬼」の異名を持つ実業家、松永安左衛門氏が設計し、昭和29年に完成した茶室です。松永安左衛門氏は、戦後の電力業界の礎を築いた電力業界の長老ですが、老境に入ってから埼玉県に山荘を営み茶道に精進した風流人でもあります。「長松亭」は、神田川沿いの入り口から「椿山荘」に入ったところにあり、この絵で空になっている部分は、実際には池と木立ちです。
参考データ
ホームページ掲載:2002.10 使用ソフト:Paint Shop Pro 7J タブレット:Wacom Intuos 原画サイズ:1035×795ピクセル
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