時の流れ
解説
この絵は、千代田区北の丸公園にある「東京国立近代美術館工芸館」を描いたものです。元々この建物は、明治43年に建てられた「陸軍近衛師団司令部」で、そのまま改装して美術館にしています。関東大震災にも戦時中の空襲にも耐えた稀有な歴史的建造物で、昭和47年に重要文化財に指定されました。
この建物で終戦前夜に有名な事件が起きています。戦争継続派の陸軍将校が終戦を阻止するため、玉音放送の録音レコードを奪うという計画を立て、森近衛師団長をこの建物の1階で殺害し、偽命令を発出して近衛師団を動かし、皇居を占拠しました。しかし、録音レコードを奪取できず、企ては失敗。首謀者達は自決しました。
今では、そんな事件の片鱗も感じさせぬ静かな空間の中に、美しい陶器や工芸品が飾られています。「工芸館」は本館から離れているせいか訪れる人も少なく、近衛師団の将校達が闊歩していたであろう廊下の片隅に座っていると、時の流れというものを感じさせられます。
参考データ
ホームページ掲載:2002.9 使用ソフト:Paint Shop Pro 7J タブレット:Wacom Intuos 原画サイズ:1035×795ピクセル
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