初冬の朝



 

 

解説

  私の心象風景の1つに、茫漠と続く平原が霧に包まれている、というものがあります。それが実際に見た景色なのか、あるいは単なる空想の産物なのか、定かではありません。
 そんな心象風景のせいか、私の描く風景画の中には、平原がたびたび登場します。あるときは春の風景として、またあるときは秋の風景として。今回は初冬の風景として描いていますが、実のところ、私の心の中の平原は、季節が定かではないのです。
 心象風景をモデルに絵を描きながら、時々それがどこの景色だったのか思い出せそうな気分になることがあります。しかし現実には、指のすきまから砂がこぼれ落ちるように、記憶の糸の先は細くなり、やがて途切れます。そんなことを繰り返しながら描いているうちに、心象風景を題材にした作品が増えていくわけです。


 

参考データ 

 ホームページ掲載:2005.11  使用ソフト:Paint Shop Pro 9J  タブレット:Wacom Intuos  原画サイズ:1035×795ピクセル


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