夏来たる日



 

 

解説

  梅雨が明け、夏が来ました。私の場合、夏という言葉には、子供時代の様々な思い出が込められています。
 梅雨明けのからりとした青空に、子供時代の私は幾つもの夢を思い描いていました。夏休み、海水浴、虫取り、小旅行、プール、友達とのちょっとした冒険・・・。それは毎年約束された輝ける季節であり、真上から照り付ける強烈な陽射しや、地平線から湧き上がる巨大な入道雲に、私は力強い生命力を感じていました。
 そうした感覚が消えたのがいつの頃からだったかは忘れましたが、今や夏が巡ってきても、あの心躍る気持ちはよみがえりません。それでも私はたまに、あの感覚が懐かしくなり、それを思い起こさせるような風景を無意識のうちに探してしまいます。
 この絵には、珍しくモデルとなった風景があります。サイクリングで遠出をして埼玉県まで足を伸ばした際、荒川沿いで見つけた風景です。背景の山や木立などは実際の風景と異なりますが、暑い中自転車を止め木陰で一休みしていて、ふと目の前の景色に子供時代の光景がよみがえったのです。その瞬間に、明確な完成画のイメージが浮かび上がりました。夏の太陽は、様々なことを思い出させてくれるものです。


 

参考データ 

 ホームページ掲載:2005.7  使用ソフト:Paint Shop Pro 9J  タブレット:Wacom Intuos  原画サイズ:1035×795ピクセル


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