月下逍遥



 

 

解説

  春になり暖かくなって来ると、仕事からの帰りに夜道を歩くのが心地良く感じられることがあります。今では、繁華街やら家庭でのテレビやら夜の娯楽が一杯ありますが、昔はこれといった娯楽もありませんから、夕方から夜にかけて散歩するという時間の過ごし方は、そう珍しいものではなかったのだと思います。
 私が大学生の頃、ある年配の先生が、授業中に自分の学生時代の思い出を暫し語ってくれたことがあったのですが、どうも話を聞いていると、その時代は夜、散歩に出ているか勉強・読書をしているかのいずれかだったようです。散歩といっても、銭湯からの帰りに友人と学生街をそぞろ歩き、古本屋を幾つか周り、歩きながら議論をして、といった具合で、一人黙々と歩いていたわけではないようですが・・・。
 この絵は、そんな昔話を思い出しつつ描いてみたものです。今の時代、夜のジョギングはあっても、散歩というのはやや特別なことかもしれません。これも時代の変化なのでしょう。

 

参考データ 

 ホームページ掲載:2005.5  使用ソフト:Paint Shop Pro 9J  タブレット:Wacom Intuos  原画サイズ:1035×795ピクセル


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