春の兆し



 

 

解説

  春の兆しを感じさせる暖かい日和となったこの前の三連休、サイクリング方々自転車にまたがって家を出ました。柔らかい風が心地よく、青い空とまぶしい陽の光が、冬の終わりを告げているかのようでした。
 その途上で、休憩のために立ち寄った公園で目についたのが、この木蓮です。今にも花が咲きそうな気配で、たわわにつぼみをつけた枝が時折吹く風に揺れていました。私は暫し立ち止まって眺めていたのですが、青い空に白いつぼみが映えて、それは美しい光景でした。
 「富士には月見草がよくにあう」と言ったのは太宰治ですが、私は、木蓮には青空がよくにあうと思っています。春の訪れを告げる爽やかな青空をバックに木蓮の白い花が風に揺れる様子は、これから来る素晴らしい季節を予感させる光景です。今まで何度か木蓮を描いたことがありますが、多くの場合は、青空をそのまま背景にしていたと思います。
 今回は、花が咲くのを待たず、最初に出会ったつぼみの光景をそのまま絵にしました。この絵の主題は、木蓮のつぼみであると同時に、背景となる青空でもあります。今年は冬が寒く雪も沢山降りましたから、こんなささやかな春の兆しにも、ことのほか心が動いたのかもしれません。
 あの木蓮、今頃はひとつふたつ、もう咲いているのではないでしょうか。暖かくなったかと思えばすぐまた寒くなる、変化の激しい気候ですが、春はすぐそこまで来ています。



 

参考データ 

 ホームページ掲載:2005.3  使用ソフト:Paint Shop Pro 9J  タブレット:Wacom Intuos  原画サイズ:1035×795ピクセル

 

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