南 天
解説
冬の公園を色のイメージでいえば、全般的に茶色っぽく地味な印象なのですが、その中でも探せば、山茶花、椿、スイセンなどの花を見つけることが出来ます。その他に、この南天の赤い葉も人目を惹きます。
南天は、秋に赤い実をつけますが、冬になると小鳥にでも食べられるのか、実が殆ど残りません。その代わりといっては何ですが、葉が渋めの赤に色付いて、その品のある色合いが冬のイメージに妙に合う気がします。紅葉の鮮やかな赤とは異なる色づき方で、どちらかというと伝統的な日本画の色です。
その色の渋さのせいか、整った様式美的な葉の形状のせいか、日本画の画題にこの南天はよく出て来ます。日本画家の東山魁夷が学生時代に描いた作品で、ずばり「南天」というのがありますが、如何にも日本画らしい繊細なタッチで描かれており、後世の東山作品とはかなりイメージが異なります。
しかし、実際に描き始めると南天というのは難しい素材で、地味な朱色とデザインっぽい葉だけで画面構成するのは、そう簡単ではありません。実を言うと、最初の構図は描きかけて途中で行き詰まり、ボツになりました。思い直して再チャレンジし、何とか仕上げたのがこれです。
参考データ
ホームページ掲載:2005.2 使用ソフト:Paint Shop Pro 9J タブレット:Wacom Intuos 原画サイズ:1035×795ピクセル
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