静寂にひたる朝
解説
風景に関する記憶というのは、歳月が経つ中で次第に劣化していくものです。いつのまにか、思い出のようなおぼろげなイメージだけを残し、細部は風化して分からなくなります。
私自身も、そうした風化した記憶のイメージを、幾つも心に持っています。この絵もそうしたイメージの一つで、いつどこで見た風景なのか、思い出すことが出来ません。ただ、こうした風景に、何かしら郷愁のようなものを感じます。
おそらく、その記憶の風景がどこの場所だったかを思い出して再訪したとしても、心に残るイメージとはすっかり変わったものになっているのではないかと思います。それなら、曖昧な記憶のまま、美しいイメージで心の中に残っていた方がいいのかもしれません。
参考データ
ホームページ掲載:2004.8 使用ソフト:Paint Shop Pro 8J タブレット:Wacom Intuos 原画サイズ:1035×795ピクセル
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