明け方の月
解説
今まで色々な月の絵を描いて来ましたが、夜明け間近の淡い月というのは描いたことがないな、とふと思いました。昔、明け方の空にかかるかすかな月を見たことがあります。それがいつの頃だったか正確には思い出せないのですが、雲一つない快晴の夜明け空に、淡くかすかに月が浮かんでいました。夜空に浮かぶのとはまるで趣の違う月に、暫し見とれたことを覚えています。
明け方の月は、実にはかないものです。空が白み始めるに連れて、徐々に姿を消して行き、やがて見えなくなってしまいます。私は何故かその姿に、人知れずひっそりと消えて行く者達の残像を見ているような気がします。消え行く者達の最後の姿に美学があるとすれば、この明け方の月のようなものなのかもしれません。
参考データ
ホームページ掲載:2004.3 使用ソフト:Paint Shop Pro 8J タブレット:Wacom Intuos 原画サイズ:1035×795ピクセル
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