海の見える家で



 

 

解説

  ニューヨークは5つの区から成り立っているのですが、そのうちブルックリンとクイーンズの2区は、ロングアイランドという巨大な島の西端にあります。このロングアイランドは、島と言っても、東西約200キロというスケールの大きなもので、その東端には、サウス・フォークと呼ばれる地域があります。海に面したリゾート地として有名で、ニューヨーク州最古の灯台が建つモントーク岬があるほか、大西洋に突き出た半島の両側に、別荘が建ち並んでいます。
 ニューヨークに住んでいた頃、夏に家族でこの辺りを何度か訪れたことがあります。最初に行ったとき、東端にあるモントーク岬の浜辺まで降りて行き、ぐるりと広がる大西洋を見渡しました。海岸に立って自分の目で大西洋を見たのは、それが初めてのことでした。寄せては返す波を見ながら、遠い昔、この海を渡ってヨーロッパからやって来た移民のことなど考えた覚えがあります。
 モントーク岬へ向かう道すがら、海に面した静かな別荘地が斜面に沿って続き、ウッドデッキに出て日光浴を楽しむ人の姿が、リゾートらしいくつろいだ雰囲気をかもし出していました。眼下に海の見える家に夏場滞在し、朝起きて静かに波が打ち寄せる海を見ながら朝食を食べると、さぞかし優雅な気分になれるのだろうなと想像したりしました。
 この絵は、そんな思い出に基づくもので、夏場にせめてイメージなりとも優雅な気分になろうと考えながら、想像で描き進んでいったものです。この窓とドアは、アメリカの別荘に近い雰囲気のものをと考え、「旧岩崎邸庭園」にある洋館をモデルにしました。

 

参考データ 

 ホームページ掲載:2003.8  使用ソフト:Paint Shop Pro 7J & 8J  タブレット:Wacom Intuos  原画サイズ:1035×795ピクセル


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