霧湧く朝
解説
朝の湖畔に霧が湧いている情景を絵にしたものです。特にモデルになった場所があるわけではありませんが、霧の湧く朝の湖畔ということでは、少々思い出があります。
昔、家族で「カナディアン・ロッキー」に観光旅行に行ったことがあります。「カナディアン・ロッキー」には有名な観光スポットが沢山あるのですが、その中でもひときわ有名な湖に、「レイク・ルイーズ」というのがあります。名前を聞いてピンと来ない方でも、写真を見ると「あぁ見たことがある」と思われるほどポピュラーな場所です。
「レイク・ルイーズ」は背後に、ビクトリア氷河を抱いた「マウント・ビクトリア」という標高約3500メートルの山がそびえているため霧や雲がかかりやすく、山の頂までクリアに見通せる機会は少ないと言われています。私達は、きれいに晴れ渡った「レイク・ルイーズ」を見るために、滞在中3回湖を訪れました。3回目にして漸くきれいに晴れた湖を見ることが出来たのですが、2回目に行ったときは朝で、このときには湖全体に霧がかかっていました。実を言うと、私個人としては、この2回目に見た霧の「レイク・ルイーズ」が、最も美しかったという印象を持っています。
湖を囲むように遊歩道があり、静かな朝の湖畔を暫し散歩しました。鏡のように澄み切った湖面に、周辺の針葉樹林が映り、吸い込まれるような美しさです。歩いていくにつれて、霧の中に深い森が見え隠れし、その美しさは絶筆に尽くしがたかったことを覚えています。私はそのとき、どんな絵も、実際の自然が垣間見せる美しさにはかなわないことを、改めて実感しました。その後、これにまさる霧の風景を見たことはありません。
参考データ
ホームページ掲載:2003.7 使用ソフト:Paint Shop Pro 7J & 8J タブレット:Wacom Intuos 原画サイズ:1035×795ピクセル
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