2006.1.1〜2006.1.29
解説
毎年そうですが、1月の表紙絵を何にするかについて、年末に考えて込んでしまいます。新年の雰囲気にふさわしいものにしたいわけですが、さて具体的にそれはどんな絵かということになると、中々構想がまとまりません。
今回は夜明けの山の絵にしたのですが、悠々たる雰囲気を出すために朝もやを描き加えることにしました。そこではたと困ったのは、寒い朝にもやが湧くのかということです。冬は空気が澄んで遠くまで見渡せることは、小学生でも知っています。霧やもやは、空気中の水蒸気が原因ですが、これにはある程度の寒暖差が必要になります。一般に水蒸気の発生が少なく乾燥しがちな冬は、こうした現象は少ないというのは常識です。
さて困ったなぁと思い、改めて構想を練り直そうと歳時記を眺めていたら、パッと目に付いた季語が「冬の霧」。まれにではあるが、冬にも霧が湧くことがあると記されていました。これだと思い、早速制作に取り掛かった次第です。
絵の中にどの程度のリアリティーを入れるかは、描く側の割切りの問題で、必ずしも現実通りにする必要はありません。絵は創作なわけですから、実際ある通りに寸分狂いなく描く必要など、どこにもないわけです。しかし他方で、あまりに現実を無視すると、嘘っぽく見えてしまいます。その境界線をどの程度のところに持っていくか。これは絵を描く者にとって、永遠の悩みだと思います。
参考データ
ホームページ掲載:2006.1 使用ソフト:Paint Shop Pro 9J タブレット:Wacom Intuos 原画サイズ:1000×600ピクセル
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